2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

慢性頭痛の診療ガイドライン

「慢性頭痛の診療ガイドライン」が出版された.日本頭痛学会のホームページからも閲覧可能である.本書のユニークなところは,臨床現場で問題となっていることを,clinical question(CQ)として調査し,それに答える形で,推奨のグレード,および解説を記載…

「治験は難しい」と思った2つのくすり(下)だれを何のために治療するのか?

スタンフォード大学神経内科Steinmanが,再発寛解型多発性硬化症(RRMS)におけるnatalizumab trialに関して,Lancetに投稿したレターを一言で表現すれば,「だれを何のために治療するのか?」という問いかけと言える.これはどういうことか理解するために,…

「治験は難しい」と思った2つのくすり(中)多発性硬化症に対するナタリズマブ

Natarizumab(商品名Tysabri)を例にして,治験の難しさ,とくにどのような患者さんを治験にエントリーするべきかという問題について議論したい.その前に本剤は日本ではいつになったら使用できるか分からない馴染みのない薬でもあり,治験の経過を振り返っ…

「異状死体」と「異状死」 ―そのときどう対応するべきか?―

昨今,診療行為に関連した予期しない死亡を警察に届け出るべきか否かはきわめて大きな問題になった.では,その判断の根拠は何だろうか?まず,医師法21条が思い浮かぶだろう. 「医師は,死体または妊娠4ヶ月以上の死産児を検案して異状があると認めたとき…

「治験は難しい」と思った2つのくすり(上)ALSに対するエダラボン

3月10日付のコメントで,tarashiさんから,エダラボン(商品名ラジカット)をALSに対して使用できるよう保険適応を変えようという署名活動がネット上で行われていることを教えていただいた.署名活動をなさっている方々の気持ちは痛いほど分かるものの,「お…

産婦人科医逮捕に関する私見

まずこの事件でお亡くなりになられた方,そしてご遺族の方には哀悼の意を表します. ご承知のとおり,福島県立大野病院に勤務していた1人医長の産婦人科医加藤克彦先生が,帝王切開中の大量出血(予見不能の癒着胎盤からの大量出血)が原因で患者さんが死亡…

Ai とは?(ミステリー作家は病理の先生)

2月22日付で記載した「神経内科医が主人公のミステリー」の後日談.「チーム・バチスタの栄光」の著者の詳細は不明だったが,「日経メディカル」3月号にインタビュー記事が掲載されたそうだ.それによると「1961年生まれ,1988年千葉大卒,都立府中病院など…

筋萎縮性側索硬化症の診断マーカー

ALSの診断は難しい.上位ないし下位運動ニューロン徴候のいずれかしか認めない発症早期は当然のことながら,個人的に「難しい」と考えるのは,高齢発症ALSの診断と,救急外来で診察する場合だ.まず前者については,高齢発症者は経験的に球麻痺症状にて発症…