舞踏病

ハンチントン病の新しい発症メカニズムの発見!CAGリピートは神経細胞でさらに伸長する

ハンチントン病(HD)は,常染色体顕性遺伝を呈する神経変性疾患で,原因は huntingtin(HTT)遺伝子内のCAGリピートの異常伸長です.HD患者は36回以上(ほとんどの場合40~49回)になります.未解明な点が多く,代表的なものとしては以下が挙げられます. …

ハンチントン病はなんとβ遮断薬により進行抑制できるかもしれない!

遺伝性神経変性疾患であるハンチントン病(HD)の進行を遅らせる可能性のある治療法として,β遮断薬の効果を検討した観察研究が,アメリカのアイオワ大学を初めとするチームによって行われ,JAMA Neurology誌に発表されました.まさか古典的な心臓の薬である…

ハンチントンが150年前に記載した舞踏病論文を読み感動する

George Huntington(1850–1916)は,彼の名前を冠した疾患,すなわちハンチントン病の臨床像を論文に記載したアメリカの医師です(Huntington G. On chorea. Med Surg Rep 1872;26:317-321).その論文が執筆されて今年はちょうど150年になります.初めて読…

舞踏運動の鑑別診断update

Neurology Clinical Practice誌のFive new thingsは,新しい知識を学ぶのに良い連載であるが,今月号ではハンチントン病以外の舞踏運動を取り上げている.原疾患の診断により治療が可能なことが少なからずあるため,鑑別診断が重要となる.さらにこのテーマ…

親の遺伝子診断の結果を子供に,いつ,誰が,どうやって知らせるか?知らせないか?

自らがハンチントン病の家系の一員であったウェクスラーは,ハンチントン病の遺伝子診断に関連して,the choice not to know nowという表現を用いて,ハンチントン病のリスクのあるひとにおいて,十分な事前のカウンセリングの後に,検査を受けるか,もしく…

Tardive syndromeの治療

抗精神病薬を長期間,内服していると,顔,口周辺,顎,舌,さらに手足や体にジスキネジアが出現しうる.内服開始後数カ月,ときには数年以上経ってから現れることがあるため,遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia; TDD)と呼ばれる(動画).またジスト…

ハンチントン病における舞踏運動に対する薬物療法

舞踏運動は,認知機能障害や精神症状とともにハンチントン病(HD)の重要な徴候である.通常,発症早期から出現,徐々に増悪するADLを障害し,転倒の危険性を高め,体重減少をもたらす.HDでは舞踏運動の治療はとても大切である. しかし舞踏運動の神経化学…

成人における自己免疫性舞踏病

成人の舞踏病はさまざまな原因で生じるが,普通,ハンチントン病を思い浮かべる.しかし遺伝子診断を行なっても,IT-15(ハンチンチン)遺伝子のCAGリピート伸長を認めないことを少なからず経験する.このような症例の中には歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(D…

良性遺伝性舞踏病2型(BHC2)はタウオパチー?

2007年に新潟大学脳研究所が中心となり,良性遺伝性舞踏病2型(benign hereditary chorea type 2;BHC2)という新しい疾患の存在を明らかにした(Brain. 2007).常染色体優性遺伝形式を呈する疾患で,神経学的には舞踏運動のみを成人期以降に発症する.認知…

TDP43 遺伝子変異はハンチントン病様表現型を呈しうる?

神経細胞およびグリア細胞内のユビキチン陽性,リン酸化TDP43陽性封入体を認める疾患として,ユビキチン陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(FTLD-U),ALS,そして運動ニューロン疾患を伴う前頭側頭型認知症(FTLD-MND)がある.TDP43をコードするTARDBP 遺…

新しい遺伝性舞踏病が日本から報告された

舞踏運動は振幅が大きく踊るような,短時間の突発的な不随意運動である。解剖学的には線条体(尾状核,被殻),内包前脚,淡蒼球外節,視床,視床下核の病変で生じうる。舞踏運動を呈する疾患にはさまざまなものがあるが、遺伝性に発症する疾患としては、Hun…

クリオキノールはハンチントン・モデルマウスの臨床像・病理所見を改善する,しかし・・・・

ハンチントン病(HD)は,伸長ポリグルタミン鎖を含む変異ハンチントンが脳内で蓄積することにより発症する.また変異ハンチントンは神経細胞核内において凝集体を形成する.今回,強力な金属キレート薬であるclioquinolがHDの治療薬として有望であるとの研…

家族性良性舞踏病に L-DOPA が効く?

家族性に舞踏運動を呈する家系で常染色体優性遺伝を呈する場合,鑑別すべき疾患としてはHuntington病,DRPLA,Huntington病類縁疾患2型(HDL2),SCA17が挙げられる.HDL2に関しては,調査の結果,本邦における報告例はまだない(Ann Neurol 56:670-4, 2004…

ハンチントン病の一卵性双生児では発症年齢は同じになるか?

個人的に興味のあるCAG repeat病の発症年齢ネタを一題.これまでにハンチントン病の一卵性双生児は少なくとも12組の報告があるが,症状の程度に差はあることはあるものの,発症年齢の違いは1年以内であった.このことはハンチントン病の発症年齢が遺伝的要因…

ハンチントン病に対する高用量クレアチン治療の結果

体内にあるクレアチンのほとんど(95~98%)は骨格筋に貯えられており,残りの数パーセントが心臓,脳,精巣に貯えられている.生体内のクレアチンは約6割がクレアチンリン酸の形で存在し,ATP供給に関与している.このため,エネルギー代謝に異常のある疾…

ハンチントン病モデルマウスにおける糖尿病の発症機序

ハンチントン病(HD)モデルマウスとして,Bates 等が作成したR6/2がある.このマウスはヒトHD遺伝子のexon 1(150 CAG repeatを含む) を導入したトランスジェニック(Tg)マウスであり,ポリグルタミン病における核内封入体の発見の契機となった有名なTgマ…

高血糖性半側舞踏病の病態 ―FDG-PET study―

高血糖性半側舞踏病はコントロール不良の糖尿病を有する高齢者,とくにアジア系の人種に多く報告されている.半側舞踏病以外にもhemichoreaを呈することがある.MRIでは不随意運動の反対側の基底核における可逆性T1WI high-intensityの所見が特徴的である.…

HDL-2 は日本には存在しない?

ハンチントン病類縁疾患2型(Huntington's disease-like 2; HDL-2)は,ハンチントン病(HD)と類似する表現型を呈する常染色体優性遺伝の疾患で,junctophilin-3遺伝子のCTG/CAG リピートの延長がその原因遺伝子であることが報告されている.しかし,HDL-2の…