2014-01-01から1年間の記事一覧
地元テレビ局のディレクターさんから,「寒さと脳の病気の関係について教えてほしい」との依頼があり,寒さと頭痛・脳卒中の関係について勉強してみた.このディレクターさんからは過去にも「うとうとした時,ビクッとするのはなぜ?」「しゃっくり(吃逆)…
第33回日本認知症学会学術集会が横浜で行われた.新潟大学脳研究所病理学の高橋均教授による「認知症の脳を観る」という特別講演がとくに印象に残った.非常に示唆に富むご講演であったが,とくに重要な点は以下の2点のように思われた. 1)認知症は加齢に…
第42回日本頭痛学会@下関に参加している.頭痛診療は非常に難しいが,その頭痛診療に関する知識をアップデートできる臨床に役立つ学会である.今年は国際頭痛分類第3版β版の日本語版が発表されたことや,抗CGRP抗体が予防薬として有望であることが報告され…
さてシンポジウムで議論されたタウオパチー研究のうち,印象に残った治療薬開発研究を3つ紹介したい. 1. タウ凝集体形成神経細胞を用いた薬剤スクリーニング タウ凝集体はPSP,CBDのほか,アルツハイマー病,ピック病などさまざまな変性疾患で認められるが…
米国Cure PSPが主催する国際リサーチシンポジウムに参加し,日本でおもに報告されているPSPの亜型である小脳型PSP(PSP-C)について発表する機会を頂いた. このCure PSPは,進行性核上性麻痺(PSP),大脳皮質基底核変性症(CBD)といったパーキンソン病類…
「第8回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス」が10月2日から4日にかけて行われました.教育的な講演から最新のトピックスまであり,1日参加するだけでも幅広く勉強できる学会です.ビデオセッションも充実しています.美味しいディナーとワインをいただ…
先日,アイスバケツチャレンジで氷水をかぶりましたが(笑),もう少し何かできることもあるかなと思い,自分なりにALSに関してスライドにまとめてみました. 具体的には,「どんな病気なのか?まだ治せない病気だけれど,これまでどんな取り組みをしてきた…
頚椎症性脊髄症は,ミエロパチーの原因としては頻度が高い(23.6%という報告がある).圧迫が高度な場合,治療として外科的に除圧術が行われるが,手術に踏み切るのは正確な診断が必要で,その場合,画像所見は重大な意味をもつ.頸部の頚椎症性脊髄症に対す…
多系統萎縮症(MSA)では,睡眠呼吸障害や睡眠中の突然死がみられることがある.治療として,持続的陽圧換気療法(CPAP)が行われ,短期的には睡眠呼吸障害を改善することが報告されているが,どのぐらいの期間,CPAPを継続できるのか,また中止の場合,その…
Movement Disorder Societyが主催する国際学会に参加した.学会で一番盛り上がるのが,世界各国の学会員が症例ビデオを持ち寄り,運動障害のエキスパート5人が,その特徴や診断を議論するVideo Challengeだ.最も興味深い演題が表彰されるため,各国プライド…
今回の日本神経学会学術大会@福岡の新しい企画の一つに,「私シリーズ」というものがあり,6人の著名な研究者が自ら生涯をかけた研究について語るというものであった. 私は,三本博教授(コロンビア大学病院ALSセンター)の「私とALS:ALSとの取り組み35年…
フィラデルフィアで開催された米国神経学会年次総会に参加した.今年は例年より,日本からの参加者が少ない印象を受けた.若手医師にとって刺激的な学会であり,世界の神経内科医がどのようなことに関心をもって取り組んでいるか知ることはとても有益と思う…
筋萎縮性側索硬化症(ALS)ではしばしば体重減少を来す.これは筋肉と脂肪の減少によるが,この原因としては嚥下障害,うつや食思不振,上肢の筋力低下に伴う食事摂取困難,疾患に伴う代謝亢進が関与している.元の体重より10%減少した場合,PEGやRIGを用い…
深部静脈血栓症は,主に下肢あるいは骨盤内に発生する深部静脈内の血栓を指す.原因としては,Virchowの3徴がよく知られており,①血流の停滞,②血管内皮の損傷,③血液凝固能亢進が血栓を引き起こす.急性期には下肢の腫脹や疼痛が出現し,慢性期になると下腿…
昔,私どもの教室に「問診 ―日ごろ心にとめている十ヵ条―」と題する額が飾ってあった.椿忠雄教授(新潟大学脳研究所神経内科初代教授)のことばである.耐震工事の引っ越しのためにどこかに大事に保管され,そのまま行方知れずになってしまっていたのだが,…
日本臨床倫理学会(第2回年次大会)@東京に初めて参加した.一昨年,発足した学会だが,今大会のテーマが「臨床現場で考える倫理」であるように,日常臨床の現場で困っている倫理的問題を持ち寄り議論する場を目指している.認知症や神経難病も重要な問題…
国際脳卒中学会(ISC2014@San Diego)の開催前日,Animal model 2.0という聞きなれないタイトルのシンポジウムが行われた.2.0は第二世代を示す.では第一世代は何を指すかと言うと,脳虚血の病態や神経保護薬候補をつぎつぎと明らかにした脳虚血急性期げっ…
1)FAST-MAG trialの概要 国際脳卒中学会(ISC 2014)に参加した.そのなかで,最新の脳梗塞急性期治療の臨床試験の結果が報告された.試験名はField Administration of Stroke Therapy - Magnesium (FAST-MAG) trialである.この臨床試験の特徴は,とにか…
SanDiegoで行われている国際脳卒中学会2014(ISC2014)に参加している.このなかで,女性に特有の危険因子に着目した女性の脳卒中予防ガイドラインを,米国心臓・脳卒中協会(AHA/ASA)が初めて発表したのでご紹介したい. じつは米国では,男性より女性の脳…