2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

感慨深かった日本医学会連合・TEAMS事業シンポジウム「いつまでも健康で美味しく食べる」

第126回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会において開催された標題のシンポジウムにて,「神経筋疾患や脳血管障害を見落とさないために」という講演の機会を頂戴しました.本シンポジウムは,多学会の連携によって嚥下障害への理解と対策を広める…

パーキンソン病では生命予後・機能予後を増悪させないためにCOVID-19罹患を防ぐ必要がある!

個人的にはずっと結果を知りたかった,COVID-19がパーキンソン病(PD)患者の長期的な転帰に及ぼす影響を明らかにした研究が,ついにアルバート・アインシュタイン医科大学から European Journal of Neurology 誌に報告されました.本研究では,2016年から20…

自己免疫性脳炎の免疫病態と進行中の臨床試験 ―なぜこの薬が選ばれたのか?―

自己免疫性脳炎(autoimmune encephalitis:AE)は特定の自己抗体が機能障害を引き起こし,記憶障害やけいれん,運動異常症,精神症状など多様な症候を呈します.早期の免疫療法によって改善が望めるものの,十分なエビデンスに基づく治療はまだ確立されてい…

未来を創るリーダーシップ:脳神経内科医のためのエンパワーメントセミナー

第66回日本神経学会学術大会において,教育コース「未来を創るリーダーシップ:脳神経内科医のためのエンパワーメントセミナー」が開催されました.リーダーシップ教育は,近年多くの海外学会において,そのミッションを達成するための重要な手段として注目…

ナルコレプシーに対するオレキシン作動薬の夜明け

第66回日本神経学会学術大会3日目,睡眠医学研究の第一人者,筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史先生のご講演を拝聴しました.①起立性調節障害の多くは睡眠相後退症候群であること,②ノンレム睡眠中の一時的なドーパミン濃度の…

なぜ三浦謹之助は,8ヶ月足らずという短い留学期間で,シャルコーを「生涯の師」と仰ぎ続けたのか?@第66回日本神経学会学術大会

学会初日,「シャルコー生誕200年特別企画 シャルコーと神経学」が開催されました.ジャン=マルタン・シャルコー(1825–1893)は「神経病学のナポレオン」とも称され,近代神経学の礎を築いた人物です.多発性硬化症やALSを初めて記載し,ヒステリー(現在…

「増補版 シャルコーの世紀: 臨床神経学の父ジャン―マルタン・シャルコー生誕二百年記念」が発刊されます!

このたび,標題の書籍(図左)が発刊される運びとなりました.本書は,1993年に出版され,現在では入手困難となっている名著『シャルコーの世紀 臨床神経学の父 ジャン―マルタン・シャルコー没後百年記念講演会(図右)』に,「シャルコー生誕二百年記念座談…

神経変性疾患に対する免疫療法の幕開け ―制御性T細胞(Tregs)を標的としたALS免疫治療―

筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する治療として近年,複数の新たな試みが進行中です.最新号のLancet誌に,低用量のインターロイキン2をリルゾールに追加して皮下注する新たな免疫療法の有効性と安全性を検証した多施設共同第2b相二重盲検無作為化プラセボ対…

レカネマブに伴う症候性ARIAのリスクは認知機能の差(CDRスコア0.5と1)で15倍も変わる!

アミロイドβを標的とした抗体薬レカネマブは,アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症の治療薬として臨床応用されています.JAMA Neurology誌にワシントン大学から,治療を導入した234名の治療後の経過を検討した研究が報告されています…

機能性神経障害(FND;ヒステリー)診療の近年の革命的変化─COVID-19の影響も踏まえて

「医学のあゆみ」誌の最新号(https://amzn.to/4mbk1C0)で,機能性神経障害(FND)の特集が組まれました.歴史的に,ヒステリー,心因性疾患,解離性障害,転換性障害,身体表現性障害,心気症,詐病などと呼ばれてきた疾患です.この特集号を企画された園…

免疫抑制患者に見られる新たなウイルス性脳脊髄炎 ―Pegivirus関連脳脊髄炎(PAEM)―

最新号のNew Eng J Med誌の短報に,ドイツのCharité大学を中心とするチームが,ヒトペギウイルス1型(HPgV-1)による新たな中枢神経感染症「Pegivirus関連脳脊髄炎(Pegivirus-associated encephalomyelitis;PAEM)」を報告しています.免疫抑制状態にある4…

アルツハイマー病に対する抗体療法の課題と将来の展望・改訂版

近森病院 細見直永部長,高知大学 松下拓也教授に貴重な機会をいただき,標題の講演をさせていただきました.昨年の7月に日本脳血管・認知症学会にて同じタイトルで大会長講演をさせていただきましたが,この10ヶ月の研究の大きな進歩を踏まえアップデート…

進行性核上性麻痺と特発性正常圧水頭症の両者が疑われた患者さんのシャント術の有効性を検討する観察研究のご紹介@岐阜大学

進行性核上性麻痺(PSP)と特発性正常圧水頭症(iNPH)は,いずれも歩行障害や認知機能の低下をきたす疾患ですが,診断の区別が非常に難しいことがあります.PSPと診断された患者さんでも,実際にはiNPHであり,「シャント術」によって症状が改善する方がい…

脳内の異常を免疫系はどのように感知しているのか?― 「脳免疫コード」という新たな概念

私たちの脳は,これまで免疫系から独立していると考えられていました.しかし近年の研究により,脳内の老廃物を排出する仕組みとして,グリンパティック系(glymphatic system)および硬膜リンパ管(meningeal lymphatics)が存在することが明らかになり,脳…

典型的な臨床3徴と画像所見を認めても,必ずしも特発性正常圧水頭症とは言えない!

★gooブログのサービス終了に伴い,Hatena Blogに引っ越しをしました(https://pkcdelta.hatenablog.com/).gooブログにアクセスいただくと,引っ越し先に自動で移動します.gooブログでは,ブログ開設から20年(7512日)お世話になりました.1387記事を執筆…

女性はなぜアルツハイマー病で重症化しやすいのか? ―性差医療の必要性―

アルツハイマー病(AD)は女性に多く,また病態の進行が速い傾向にあることが知られています.日本人においても女性に多く,認知機能低下の進行も女性で速い傾向が報告されています.久山町研究などの疫学データにより,この性差は単に寿命の長さによるもの…

「臨床神経学」誌の名前の由来をご存知でしょうか?

「臨床神経学」誌は,日本神経学会が発行する月刊の神経学雑誌です.その名称の由来を,今月号の編集後記に執筆しました.よろしければご一読ください. ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 編集後記 本誌の名前が「臨床神経学」となった…